幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養した際に幹細胞が分泌する生理活性物質を集めたもので幹細胞は含まれていません。細胞外小胞(EVs、エクソソームなど)、サイトカイン(成長因子など)が豊富に含まれています。近年、エクソソームが注目され医療現場でも使われはじめていますが、そのほとんどが間葉系幹細胞培養上清液、もしくはそこからエクソソームを単離したものです。
当院が使う幹細胞培養上清液は、乳歯髄、臍帯、脂肪、骨髄の4種類の間葉系幹細胞それぞれに不死化遺伝子を導入し、クローン化(株化)に成功した細胞から調製した培養上清液です。これにより、製剤の安全性、均質性、安定供給が担保されています。一部では、不死化遺伝子導入による「がん化」のリスクが指摘されていますが、動物実験、RNA解析の結果はその逆で、不死化遺伝子導入は「がん化」を抑制する方向に働いており、科学的根拠のない指摘です。何よりも既に8年のヒトへの臨床実績があり、それらのデータが安全性を実証しています。
再生医療の研究は、細胞移植を中心に進んできました。最初に確立された再生医療の技術は皮膚です。驚くことに1970年代にこの技術は確立され、それ以降、培養皮膚の移植は世界中で行われ、日本でも再生医療製品として認可されています。体外で培養して調製した皮膚を移植すると皮膚は再生します。これは、移植した皮膚が定着するのではなく、移植した皮膚は定着せずに2週間くらいでなくなるのですが、皮膚は再生するのです。
培養皮膚の移植を数多く経験された名古屋大学上田実名誉教授は、その現象から「再生医療に細胞移植は必要なのか?」という疑問をもち、名古屋大学にて研究に取り組まれました。その結果、「細胞移植は必ずしも必要ではなく、細胞が分泌する生理活性物質による再生医療の実現は可能だ」という結論に達しました。これらの研究が幹細胞培養上清液を使った臨床応用の基礎です。
以下の疾患に関する論文が医学系雑誌に掲載されています。
当院では、これらの基礎研究データの他、製剤の製造受託会社が行った動物実験による安全性検査、ヒトでの安全性及び有効性目的の臨床研究、さらに世界中で発表された論文データや臨床実績を参考に、科学的妥当性をもって治療を提案いたします。
2000年代後半頃から再生医療は次世代の医療として注目されるようになり、日本では2012年に山中伸弥先生がIPS細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞されたことにより更に注目が高まりました。日本では再生医療の研究が盛んで、世界に先駆けて法整備も進み、2014年に「再生医療等の安全性の確保に関する法律」が施行されました。この時に、幹細胞培養上清液は細胞が入っていないことから、新法の対象外となりました。これにより、幹細胞培養上清液を使った臨床応用は、医師法の下で自由診療として実施することが可能となったのです。
2015年頃から、技術の進歩により微小な物質の解析ができるようになり、50~150ナノメートル(nm、10の-9乗)のエクソソームが再生を促す物質として注目されるようになりました。今では、エクソソームは細胞外小胞(EVs)と呼ばれ(エクソソームはEVsの中のひとつ)再生医療の主役に躍り出てきた感があります。
EVsは細胞が出す泡のような小胞で、DNA、mRNA(メッセンジャーRNA)、miRNA(マイクロRNA)、タンパク質などを内包し、細胞間の情報伝達物質として体内のあらゆる反応に関与しています。あらゆる反応というのは、病気を治す作用もあれば、病気を発症させたり悪化させたりすることもあります。それらに深く関わっているのがmiRNAです。
2020年以降、エクソソームがブームとなり幹細胞培養上清液、エクソソーム点滴が自由診療で拡がっていますが、安全性や品質の確認が不十分な製剤が多く医療事故が心配される状況です。品質の悪い製剤は病気の発症や悪化リスクを高めてしまいます。
2024年7月には、厚生労働省医政局研究開発政策課より「幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)」にて、安全な医療の実施に努めるよう事務連絡が出されました。
当院では、EVsの品質及びリスクのプロファイルに関して十分理解した上で、EVsを用いることの科学的妥当性と患者さんの安全性の確保に努めています。
EVsの品質において重要なのは、均質性を高い次元で維持することです。そのためにクローン(株化)細胞から調製された培養上清液のみを使って臨床を実施しています。また、細胞の種類によってmiRNAの発現が異なるため、4種類の間葉系幹細胞(乳歯髄、臍帯、脂肪、骨髄)由来の培養上清液を使い分けて治療しています。
当院で使っている幹細胞培養上清液(乳歯髄)には平均して400億pixel/mlのエクソソームが含まれています。ただし、現在の技術でもエクソソームの量を正確に測定することは難しく、エクソソームの回収率は10~50%と言われています。これだけ回収率に幅があると、比較検査以外にエクソソームを量で比べることには意味がありません。エクソソームの量は、培養時の細胞数を増やしたり、培養液を濃縮したりすることで調製することも可能であり、さらには、がん細胞や老化細胞の方がエクソソームを多く出すからです。
このように、エクソソームの量で製剤の良し悪しを判断するのではなく、重要なmiRNAがバランス良く発現しているかなど、総合的な判断が必要です。
培養上清液に含まれている成長因子の種類や量は、製剤の均質性が保たれているかを確認するには有効かもしれませんが、治療効果には意味がないように思われます。
培養上清液を投与することにより、体内や細胞内で必要に応じて合成されるタンパク質が治療効果を発揮するのです。やはり、重要なmiRNAがバランス良く発現していることが重要です。
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11:00 - 14:00 |
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《病院名》 |
CLINIC Akentannos クリニックアケンターノス |
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《アクセス》 |
東京都品川区東五反田3−16−55 品川グリーンハイツ01 |
《診療時間》 |
11:00-17:00 |
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